顧客層にアプローチする際、何らかの《情報物》を携えるのは、以前からの習慣にまでなっていたはずです。しかし、本当にその《情報物》が、保険営業者の皆様の《存在感》を際立たせて、関係すべき顧客層の関心を引いているのかについては、それほど真剣には捉えられて来なかったかも知れないのです…。

1.なぜパンフレットに情報機能が薄いか?

申し上げるまでもなく、保険のパンフレットやある種の雑誌は、それ自体《優秀な情報》であることには疑いがありません。インターネットが主要な情報源になる中でも、何か《アプローチの大義》として携えられる《情報物》は、やはり不可欠でしょう。
しかし、特に《営業ツール》として捉える場合、問題はその情報物が《誰の》あるいは《何の》存在感を際立たせているかなのです。

2.保険営業者の《存在感》を際立たすべき

保険パンフレットが、顧客の印象に残すものは、《保険内容》であり《保険会社》です。もしかしたら、手渡しされても、顧客は渡してくれた人への印象を残さないかも知れません。名刺があっても、それは《保険会社の販売員》であり、特定個人としての《認識》は得られないかも知れません。
綺麗な趣味の雑誌や、保険に関わるイベントやキャンペーンの案内でも同様です。しかも、いきなり結論的なポイントに飛ぶなら、保険営業者の《存在》が際立たない…、これが今日、生命保険が市場に浸透しにくくなった最大の原因かも知れないのです。

3.保険の内容を知るだけで満足できた時期

もちろん例外も少なくはないでしょうが、生命保険の契約が、社会で一人前になった世帯主の証であった頃(1960~1980年代頃?)や、節税や相続税対策の重要な手段であった時(1990~2010年代頃?)には、保険会社の《ブランド》や《商品力》が、顧客の大きな関心事だったはずです。
そんな時期には、保険営業者の皆様は『お役立ち情報を持って来るメッセンジャー』として、非常に大きな存在感を持ったかも知れません。いきなり保険の話をするのではなく、経営者や個人に《役に立つ》話や、保険会社の《キャンペーン》の告知などを通して、『この人は保険に詳しい』と思わせることで、保険の話の基盤が成立するケースが少なくなかったということです。

4.何事にも納得や確信が持てなくなった?

ところが、そんなアプローチが機能しないケースが増えて行きます。何故なのでしょうか?
その背景を一口に言うなら、現代人の多くが自分の事業や仕事や暮らしに《確信》を持てないままに、日々を過ごすようになったからだと言えそうなのです。
それは《確信が持てない》という表現よりも、《何が何だかよく分からない》という言い回しの方が、ぴったり来る状態かも知れません。保険商品情報やお役立ち情報を持って来られても、《確信》が持てない対象が増えるだけで、むしろストレスにさえなりかねないのです。
では、現代人はどうして、そんな確信が持てない状況に陥ったのでしょうか。

5.答が見つからない程度なら深刻ではない

私たちはしばしば『正解が見つからない』ことに苛立つのですが、その苛立ちは解決策を探す努力をすることで乗り越えられます。しかし、正解を探す以前に『いったい何が自分の問題なのかが分からない』時、言い換えれば『私は何を考えるべきなのか』が見えなくなった時、生き様の中に《確信》を失いがちになるようなのです。
そんな時『これが答だ』と言われても、誰も耳を貸さない、あるいは貸せないでしょう。だから『生命保険や医療保険で安心を買おう』等という誘い掛けに対して、反響が薄くなっているのだと思います。

6.問題が見えて来ないと不安や不満が増大

いったい《私の事業》あるいは《私の仕事》や《私の生活や生き様》に襲いかかって来るのは、《どんな問題》なのでしょうか。何が《私》をこうも不安に、あるいは無気力にしているのでしょう。敵の正体が見えなければ、私たちには努力を始める気力さえ生まれません。
しかも『これが、あなたの問題です』と言われても、簡単には納得はできないのです。その問題指摘は《答》と同種のものだからです。問題は、《自分で感じ取った》のでなければ見つかった気がしませんし、その気分が《問題発見確信》に変わるまでには、あれこれの紆余曲折と考える時間が欠かせないのです。

7.自分流に考えるためのヒント情報が貴重

そのため、現在の事業や個人的生活の中で《問題を事例的に提供されること》、しかも《多様な事例提供で考える材料を運ばれること》、つまり《考えるヒントが多様に得られること》が、現代のような《何が何やら分からない》社会の中では、その重要性を増し続けていると言えるわけです。
それは保険営業に限ったことではありませんが、保険営業も社会活動の1つですから、その流れの中で、取るべき道が見えて来るのではないでしょうか。

8.271ヵ月の活動下で痛感して来たこと

こうした発想から、2000年4月以来、《法人向けマネジメント・レポート1本》《個人向け情報2本》に加え、営業者の皆さま向けの《情報内容解説書》を、毎月ご提供して参りました。2022年11月配信号で、271ヵ月目を迎えています。
当初は、それほどまでには深刻に捉えていませんでしたが、最近では特に、《何が何だか分からない》現代環境の中で、まずは不安や不都合の本姿をつかみ取り、顧客層とともにその克服を、《精神面に深入りし過ぎずに考えてもらう》という活動が、保険営業の中で、むしろ重要度を増てて来たと感じています。

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上記のような観点から、私どもでは会員制度方式で、保険営業者の皆様の《存在感》を示すことに主眼を置いた、顧客向け情報発信セットを毎月ご提供しています。会員制度や会員サービスにつきましては、以下のページでご案内しています。
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