既契約顧客へのアプローチに際し、《何》がその《効果》を高める要素になり得るのでしょうか。ご一緒に、具体的に考えてみましょう。

1.《警戒感》が先行するのが現代の特徴

たとえ既契約顧客であったとしても、新たな訪問や連絡には、まず《警戒感が先行》してしまうのが、特に《現代的な特徴》だと言えるかも知れません。
もちろん、フォローする人が《契約締結時の担当者》なら、顧客の警戒感も、ある程度薄れているはずですが、それでも注意が必要なのです。

2.現代人は《何》を警戒しているのか?

たとえば今、自宅玄関前の《表札》の他に、丁目や番地のプレートを貼らない家が増えています。それどころか、表札自体を出さないケースさえ少なくないのです。
その理由は『個人情報が特定される』からです。個人情報が特定されると、何らかの犯罪行為の対象になってしまうかも知れません。犯罪い至らなくとも、ネットでプライバシーを公開されるような危険性も否定できないのです。『これが、○○さんの自宅です。住所は…』等と、ネット公開されてしまうと心穏やかではありません。

3.営業活動は《犯罪》とは無縁なのに…

もちろん、営業活動は犯罪とは無縁です。しかし、特に自分が契約した先の営業担当者の皆様は、顧客にとって『私のプラウベートな情報を知っている人』であるため、これ以上色々と知られてしまうと《やっかい》な存在でもあるのです。
この《やっかいさ》を十分深く考慮して、顧客の《警戒感》を解く行動をとること、これが既契約フォローの最大の課題だと言っても、過言ではないでしょう。

4.目的が《不明》だと受け付けられない

そのフォローに際しては、営業担当者でも顔見知りでも、現代人が本能的に《不安》を抱くのは、アプローチの《目的が不明》な時であることを忘れるべきではありません。無邪気に人を信頼していた《大らかな社会》は、もはや昔のことなのです。
しかも、私たちには『あつものに懲りてなますを吹く(熱い食べ物で一度口を火傷すると、次から冷たい食べ物まで、フーフーと吹いてしまう)』傾向があります。
目的を明確にしていても、それが顧客に《伝わる》形になっていないと、誤解を解くのは難しくなります。

5.《目的》は何でもよいわけではない!

ただし、顧客の不安を吹き飛ばす目的は、たとえば『新しい担当者になったご挨拶です』とか『この近くに参りましたので…』というものでは効果が出ません。それは目的ではないばかりか、目的を《隠して》アプローチして来る姿勢にも見えかねないからです。
ただ、『そもそも、フォロー活動の目的は、解約防止や追加契約獲得ではないか。それを口に出すのか』と言われるかも知れません。しかし、そんな《営業目的》と《顧客心理》の間にある《重要な緩衝材》を思い出すべきなのです。

6.フォローで目的とすべき緩衝材とは?

フォローで有効な緩衝材、つまり顧客の警戒を解きながら営業目的に一歩近付くための材料は、《相談を受ける》ことが《このアプローチの直接目的》だと、顧客に分からせることに他なりません。
それも『ご相談はありませんか』と、抽象的に誘うのではなく、たとえば『最近こんなご相談が増えているのですが、お客様には問題はありませんか。また、こんな問題も生じているようで、必要ならば資料をご提供しますよ』という具体的な《例》を出すのが効果的でしょう。

7.直接面談以外で《成果》を上げる方法

そして、『以下のようなご質問やご要望が増えています。お心当たりのものはございますか』として、いくつかの選択肢を用意するなら、まずその《選択肢文書》を提示するだけで、『このアプローチの目的は《顧客のため》だ』と、容易に伝わるはずなのです。
訪問にせよ、電話やメールにせよ、そんな準備もなくアプローチしたのでは、顧客は《警戒感》とともに、《自分ペースの営業》の印象を受けて、『とりあえず断る』方向に進みがちです。顧客にとっては、断ることが《マイペースに戻す》最良の方法だからです。

8.既契約フォローは現代営業の中心課題

新規顧客開拓が益々難しくなる中で、既契約者への追加提案や、既契約者からの紹介獲得活動の効果を、より高めるための具体的方法は、今後、生命保険営業活動の中心課題になって行くと捉えられることは、申し上げるまでもありません。
このコーナーでは、顧客フォローを成果につなぐ方法をご一緒に深めて行きます。

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